〜テーマ:職場環境の変化を乗り切るために(2回目)〜
前回の記事(Ser. 5-1)では、「業務がなかなか覚えられない」という悩みで相談室を訪れた1年目看護師・紺野さんのエピソードをお届けしました。
当初、上司や先輩からは「本人の能力や性格の問題」と扱われていた紺野さん。しかし、彼女がふとこぼした「私、こんな性格じゃなかったはずなのに……」という一言から、それが新しい環境や任務に慣れるまでによく見られる「疲労が蓄積して回復が追いつかないことが長く続いている状態」ではないかという捉え方が見えてきたのです。
全4回シリーズの2回目となる今回は、そんな限界状態から抜け出し、自分らしさを取り戻すための「心の休ませ方」を考えていきます。
仕事に追われるときほど、頭の中に「別の色」を増やす
業務が覚えられない不安から、仕事に費やす時間をさらに増やして状況を改善しようとする人は少なくありません。しかし、これがうまくいくとは限りません。神経の疲労から、かえって集中力や記憶力が低下してしまう場合があるからです。
また、起きている時間の大半を仕事が占めていると、仕事がうまくいかない(部分否定)だけなのに、まるで「自分そのものがダメなんだ」と全否定に陥りやすくなります。
イメージしてみてください。あなたの頭の中のバランスを円グラフにしたとき、仕事を「黒」とします。仕事一心の生活でトラブルが起きると、グラフの大半(頭の中)が真っ黒に染まってしまいます。これではエネルギーが沸く源がありません。
仕事はいつもうまくいくわけではありませんから、日頃から仕事以外の活動をいくつか持っていること、円グラフに異なる色がいくつかあることが、心と身体のバランスやエネルギー回復のための大切な「保険」になります。
離れることで見えてくる「心の転地療養」
例えば、仕事でうまくいっていない時ほど、あえて仕事のことを忘れる時間を作る。別のことでエネルギー補給をする。つまり、円グラフに黒以外の色を増やしていくのです。遠回りのようですが、一度気持ちを切り離してから仕事に戻る方が、結果的に良いサイクルを生み出します。これを「心の転地療養」と呼んでみてはいかがでしょうか。
旅から帰ってくると、住み慣れた家や家族がどこか新鮮に見えることがありますよね。物理的に距離を取ることで、心に余裕が生まれ、見慣れた光景の見え方が変わるのです。
心の転地療養は、わざわざ旅に出なくても、仕事とは「別のこと」を考える時間を持つとか、仕事帰りに少し遠回りして普段とは異なる道から帰ってみるとか、ほんの少し気分を変えることを取り入れるだけで十分なときがあります。
頑張り屋さんこそ「休息」をスケジュールに組む
もちろん、本物の旅も素敵ですが、紺野さんのように疲労感が取れない状態が長期間続いている時は、何よりも「休息」が最優先です。まずは神経を休めることでエネルギーを回復させることが大切です。
気分転換が必ずしもエネルギー回復に繋がるとは限りません。気分転換になると予定を詰め込んで忙しく動き回っては、かえって神経がすり減ってしまいます。一瞬気分が変わって良くなった気がしても、それがエネルギー消費に拍車をかけてしまっている場合があります。そして、一度ひどく疲弊してしまうと、回復にはそれなりの時間がかかるものです。
特に、疲れに気づきにくい人ほど、あえて「休息・休憩という計画をスケジュールに組み込む」意識を持ってみてください。「活動したら休憩する、活動したら休憩する」このサイクルをこまめに取り入れることがポイントです。
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さて、新しい環境で神経をすり減らしているのは、決して新人だけではありません。新人を迎え入れる先輩方にとっても、実は大きな変化であり、疲れやすい状態にあります。
次回は、紺野さんの職場の先輩の声を聞いてみましょう。教える側が抱える、新人からは見えにくい葛藤とは?

